「少し目を離したら、子どもが洗剤の容器を持っていた」「口から洗剤のようなにおいがする……」
子どもが洗剤を飲んだ可能性があると、「吐かせたほうがいい?」「水や牛乳を飲ませる?」と迷いますよね。
しかし、洗剤や洗浄剤にはさまざまな種類があり、飲んだ製品によって危険性や必要な対応が異なります。
この記事では、子どもが洗剤を誤飲した可能性があるときにまず確認すること、家庭でやってはいけないこと、受診や救急車を呼ぶ目安について解説します。
子どもが洗剤を飲んだかも?まず確認すること
まず子どもの状態を確認しながら、可能な範囲で次の情報を集めます。
- 何という製品か
- 洗濯用・台所用・トイレ用など何に使う製品か
- 液体・粉末・ジェルなど、どのタイプか
- いつ頃口にした可能性があるか
- どのくらいの量を飲んだ可能性があるか
- 原液だったか、薄めたものだったか
- 吐いたり咳き込んだりしていないか
- 口や喉を痛がっていないか
- 呼吸や顔色に異常がないか
洗剤の容器やパッケージは捨てずに残しておきましょう。
商品名・成分・液性などが、医療機関や中毒に関する相談窓口で対応を判断する重要な情報になります。
呼吸がおかしい・ぐったりしている場合は119番
次のような症状がある場合は、緊急性が高い可能性があります。
- 呼吸が苦しそう
- 顔色や唇の色が明らかに悪い
- けいれんしている
- ぐったりしている
- 呼びかけへの反応が明らかに悪い
このような場合は119番へ連絡してください。
また、突然激しく咳き込む、ゼーゼー・ヒューヒューする、繰り返し吐くなどの症状がある場合も、速やかに医療機関へ相談・受診します。
洗剤を飲んだときは吐かせない
洗剤を飲んだ可能性があると、「吐かせれば体から出せる」と考えるかもしれません。
しかし、自己判断で無理に吐かせないでください。
酸性・アルカリ性の強い洗浄剤などでは、吐くことで食道などの粘膜が再び薬剤に触れ、損傷を悪化させる可能性があります。
また、吐いたものが気道へ入る危険もあります。
水や牛乳を飲ませてもいい?
ここは「洗剤なら全部同じ対応」と考えないことが重要です。
日本中毒情報センターでは、洗濯用洗剤や台所用洗剤など界面活性剤を含む製品や、酸性・アルカリ性の製品などでは、状況によって水や牛乳を飲ませる応急手当を案内しています。
一方で、誤飲した物によっては何も飲ませないほうがよいケースもあります。
何を飲んだか分からない状態で、大量の水や牛乳を自己判断で飲ませるのは避けましょう。
まず製品名や成分表示を確認し、製品の注意表示、日本中毒情報センターなどの専門窓口や医療機関の指示に従ってください。
トイレ用・換気扇用・排水パイプ用などは特に注意
家庭用の洗剤でも、用途によって性質は大きく異なります。
日本中毒情報センターによると、台所用・洗濯用・浴室用洗剤には中性や弱アルカリ性のものが多い一方、トイレ用・換気扇用・排水パイプ用などには強い酸性・アルカリ性の製品があります。
酸性・アルカリ性の強い洗浄剤は、口・喉・食道・胃などの粘膜を傷つける危険があります。
原液や粉末、濃い洗浄剤を口にした可能性がある場合は、少量に見えても速やかに医療機関へ相談・受診してください。
漂白剤を飲んだ可能性がある場合は?
漂白剤にも種類がありますが、特に塩素系漂白剤の原液などは強い刺激があり注意が必要です。
口や喉の痛み、吐き気、嘔吐などが起こることがあります。
原液や濃いものを飲んだ可能性がある場合は、吐かせず、速やかに専門窓口や医療機関へ相談してください。
また、塩素系の洗浄剤・漂白剤と酸性の製品を混ぜると、有害なガスが発生する危険があります。
誤飲後の処置として、別の洗剤などを混ぜて「中和しよう」とすることは絶対に避けてください。
ジェルボール型洗剤にも注意
洗濯用のジェルボール型洗剤などは、子どもにはお菓子やおもちゃのように見えることがあります。
口に入れたり、強く握って破裂させたりする事故を防ぐため、使用後も必ず子どもの手や目の届かない場所へ保管しましょう。
洗剤が口だけでなく目や皮膚についた場合は、その部位に応じた対応も必要です。
洗剤が目に入った場合は?
洗剤が目に入った場合は、目をこすらせず、すぐに流水で洗います。
日本中毒情報センターでは、化学製品が目に入った場合は流水で10分以上洗うことを案内しています。
洗うことが難しい場合や、洗ったあとも痛み・充血などが続く場合、強い酸性・アルカリ性の製品などが入った場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
洗剤が皮膚についた場合は?
皮膚に洗剤がついた場合は、付着した衣服を脱がせ、大量の流水で洗い流します。
赤みや痛みなどが続く場合は医療機関を受診してください。
受診するときは洗剤の容器を持っていこう
医療機関を受診するときは、可能であれば誤飲した可能性のある洗剤の容器やパッケージを持参します。
次の情報を伝えられるようにしておきましょう。
- 商品名
- 成分や液性
- 飲んだ可能性のある量
- 誤飲した時刻
- 原液か希釈液か
- 現在の症状
- 家庭で行った処置
残量が分かる場合は、「どのくらい減っているか」も参考になることがあります。
対応に迷ったら中毒110番へ相談
「何をすればいいか分からない」「この洗剤は危険?」「水や牛乳を飲ませていい?」と迷った場合は、日本中毒情報センターの中毒110番に相談できます。
相談するときは、洗剤の容器や成分表示を手元に置いておくと情報を伝えやすくなります。
ただし、呼吸がおかしい、けいれんしている、反応が悪いなど緊急性の高い症状がある場合は、中毒110番への相談を待たず119番へ連絡してください。
「誤飲」と「窒息」は対応が違う
洗剤を飲み込んだことによる中毒と、異物などが気道をふさいで起こる窒息では対応が異なります。
声が出ない、強い咳ができない、呼吸ができないなどの場合は窒息を疑い、緊急対応が必要です。
子どもが喉に物を詰まらせたら?窒息時の対応と救急車を呼ぶ目安
洗剤以外の誤飲はこちら
ボタン電池・磁石・薬・小さなおもちゃなど、洗剤以外の物を飲み込んだ場合は必要な対応が異なります。
誤飲全般についてはこちらの記事でまとめています。
子どもが誤飲したらどうする?受診の目安とやってはいけない対処法
洗剤の誤飲事故を防ぐには?
洗剤などの家庭用品は、子どもが見えない・手の届かない場所へ保管することが基本です。
- 使用後はすぐ元の保管場所へ戻す
- 子どもの手が届かない高い場所や収納へ保管する
- 飲料用のペットボトルやコップへ移し替えない
- ジェルボールなどを子どもの前でおもちゃのように扱わない
- 漂白中のコップや水筒を放置しない
- 家族にも「漂白中」など使用状況を伝える
特に飲み物の容器への移し替えは、中身を水やジュースと間違える原因になります。
まとめ|洗剤の誤飲は製品を確認して自己判断で吐かせない
子どもが洗剤を飲んだ可能性がある場合は、まず何を・いつ・どのくらい飲んだ可能性があるかを確認します。
自己判断で吐かせず、製品の容器や成分表示を確認してください。
洗剤は種類によって必要な対応が異なるため、水や牛乳を飲ませるかどうかも一律ではありません。専門窓口や医療機関の指示に従うことが大切です。
呼吸がおかしい、けいれんしている、ぐったりして反応が悪いなどの場合は119番へ連絡してください。
子どもの救急受診についてはこちらの記事でもまとめています。
参考情報
- こども家庭庁「もしもの時の応急手当方法」
- こども家庭庁「窒息・誤飲事故」
- 日本中毒情報センター「中毒事故が起こったら(家庭でできること、やってはいけないこと)」
- 日本中毒情報センター「中毒事故の問い合わせが多い家庭内の化学製品」
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を目的としたものではありません。製品によって成分や必要な処置は異なります。実際に誤飲した可能性がある場合は、製品表示を確認し、医療機関や日本中毒情報センターなどへご相談ください。


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