「子どもが耳にビーズを入れてしまった!」「耳の中に何か見えるけど、自分で取っていいの?」
小さな子どもは好奇心から、ビーズやおもちゃの部品、紙などを耳の中に入れてしまうことがあります。
異物が見えているとすぐに取りたくなりますが、家庭で無理に取り出そうとすると、異物をさらに奥へ押し込んだり、耳の中や鼓膜を傷つけたりする可能性があります。
この記事では、子どもが耳に異物を入れてしまったときにまず確認すること、病院を受診する目安、家庭でやってはいけないことについて解説します。
子どもが耳に物を入れたら、まず確認すること
まずは子どもを落ち着かせ、分かる範囲で状況を確認しましょう。
- 何を入れたのか
- いつ頃入れたのか
- 左右どちらの耳か
- 1個だけか、複数個の可能性があるか
- 耳を痛がっていないか
- 耳から血や液体が出ていないか
- 聞こえ方が普段と違わないか
- めまいやふらつきがないか
同じビーズやおもちゃなどが残っていれば、受診するときに持っていくと、大きさや形を医師が確認する参考になります。
耳の異物は家庭で無理に取らない
耳の入り口から異物が見えていても、ピンセットや耳かき、綿棒などを耳の中へ入れて無理に取り出すのは避けましょう。
子どもが突然動いたり、器具が異物に当たったりすることで、異物をさらに奥へ押し込む可能性があります。
また、耳の穴である外耳道を傷つけたり、奥にある鼓膜を傷つけたりする危険もあります。
取れない異物は無理に触らず、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
耳に入った異物にはどんなものがある?
子どもの耳には、さまざまな物が異物として入る可能性があります。
- ビーズ
- 小さなおもちゃの部品
- 紙やシールなどの小片
- 綿棒の先端
- イヤホンなどの小さな部品
- 小石や砂など
- 虫
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でも、耳の異物としておもちゃの玉、ビーズ、綿棒の先、イヤホンのイヤーピース、昆虫などが挙げられています。
耳に異物を入れたときにやってはいけないこと
ピンセットや耳かきを奥まで入れない
「あと少しで取れそう」と思っても、ピンセットや耳かきを耳の奥まで入れないでください。
異物を押し込んだり、耳の中を傷つけたりする可能性があります。
綿棒で押し出そうとしない
綿棒を入れて異物を動かそうとするのも避けましょう。
異物がさらに奥へ移動することがあります。
耳の中へ自己判断で液体を入れない
異物を出そうとして、水や家庭にある液体などを自己判断で耳へ入れるのは避けましょう。
異物の種類や耳の状態によって適切な処置は異なります。
何度も取り出そうとしない
一度取れなかった異物を、さまざまな道具を使って何度も取ろうとするのも避けましょう。
耳の中が腫れたり出血したりすると、その後の処置が難しくなる可能性があります。
耳に虫が入った場合は?
外で遊んでいるときなどに、虫が耳へ入ってしまうことがあります。
子どもが突然耳を押さえて強く痛がったり、「耳の中で音がする」と訴えたりすることがあります。
この場合も、耳かきやピンセットを奥へ入れて虫を取ろうとするのは避けてください。
耳の中の状態を家庭で正確に確認することは難しいため、耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
何科を受診すればいい?
耳に異物が入って取れない場合は、耳鼻咽喉科が主な受診先になります。
耳鼻咽喉科では、耳の中や鼓膜の状態、異物の位置などを確認したうえで処置を行います。
夜間や休日で耳鼻咽喉科を受診できない場合や、緊急性が分からない場合は、地域の救急医療機関などへ相談してください。
こんな症状があるときは早めに受診を
耳に異物を入れた可能性があり、次のような症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。
- 耳を強く痛がっている
- 耳から出血している
- 耳から液体が出ている
- 聞こえにくそうにしている
- めまいやふらつきがある
- 異物が奥に入っていて取れない
- 家庭で取り出そうとして耳を傷つけた可能性がある
また、子どもが何を入れたか分からない場合も、自己判断で放置せず医療機関へ相談しましょう。
ボタン電池を入れた可能性がある場合は?
子どもが耳へ入れた可能性のある物がボタン電池の場合は、自己判断で様子を見ず、速やかに医療機関へ相談・受診してください。
「入れたところを見ていないけれど、近くにあったボタン電池がなくなっている」といった場合も、その可能性を医療機関へ伝えましょう。
ボタン電池は耳だけでなく、飲み込んだ場合にも緊急性が高い異物です。
誤飲した可能性がある場合はこちらの記事も参考にしてください。
子どもが誤飲したらどうする?受診の目安とやってはいけない対処法
異物を入れたことに気づかない場合もある
小さな子どもでは、耳に物を入れたことを保護者に言わないこともあります。
そのため、時間がたってから耳の違和感などで気づく場合もあります。
片方の耳をしきりに気にする、耳を痛がる、聞こえにくそうにするなど普段と違う様子が続く場合は、耳鼻咽喉科で確認してもらいましょう。
耳を触っているだけなら異物とは限らない
赤ちゃんや小さな子どもが耳をよく触っていても、必ずしも異物が入っているとは限りません。
眠いときの癖や耳垢、皮膚のかゆみなどでも耳を触ることがあります。
また、発熱や機嫌の悪さ、耳の痛みなどを伴う場合には中耳炎など別の原因も考えられます。
子どもが耳をよく触る場合についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
赤ちゃんが耳をよく触るのは病気?考えられる原因と受診の目安を解説
耳への異物事故を防ぐためにできること
小さな子どもは「ここに入れたらどうなるんだろう?」という好奇心から、耳や鼻へ物を入れることがあります。
- ビーズなど小さな物を手の届く場所に置かない
- おもちゃの小さな部品が外れていないか確認する
- ボタン電池を確実に保管する
- きょうだいが使う小さなおもちゃにも注意する
- 子どもの年齢に合ったおもちゃを選ぶ
- 綿棒や耳かきを子どもの手の届く場所に置かない
前回の鼻の異物と同じように、「口に入らないから大丈夫」ではなく、耳や鼻にも入れる可能性があるという視点で環境を見直しましょう。
まとめ|耳に異物を入れたら無理に取らず耳鼻咽喉科へ
子どもが耳に異物を入れてしまったら、まず何を・いつ・どちらの耳に入れたのかを確認しましょう。
異物が見えていても、ピンセットや綿棒、耳かきなどを耳の奥へ入れて無理に取り出すのは避けます。
耳を強く痛がる、出血している、聞こえにくそう、めまいがあるなどの場合は早めに受診してください。
また、取れない異物は家庭で何度も処置を試すのではなく、耳鼻咽喉科で確認してもらいましょう。
鼻に異物を入れた場合についてはこちらの記事で解説しています。
子どもが鼻に異物を入れたらどうする?取り方と受診の目安を解説
子どもの救急受診についてはこちらの記事でもまとめています。
参考情報
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「異物」
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「耳垢」
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を目的としたものではありません。異物の種類や位置、耳の状態によって必要な対応は異なります。判断に迷う場合は医療機関へご相談ください。


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