「子どもが鼻にビーズを入れてしまった!」「鼻の奥に小さなおもちゃが見えるけど、取っていいの?」
小さな子どもは好奇心から、ビーズやおもちゃの部品などを自分で鼻の中に入れてしまうことがあります。
異物が見えていると、ピンセットなどですぐ取りたくなりますが、家庭で無理に取り出そうとすると、さらに奥へ押し込んだり鼻の中を傷つけたりする可能性があります。
この記事では、子どもが鼻に異物を入れてしまったときにまず確認すること、病院を受診する目安、家庭でやってはいけないことについて解説します。
子どもが鼻に物を入れたら、まず確認すること
まずは子どもを落ち着かせ、分かる範囲で状況を確認しましょう。
- 何を入れたのか
- いつ頃入れたのか
- 左右どちらの鼻に入れたのか
- 1個だけか、複数個の可能性があるか
- 鼻血が出ていないか
- 鼻を痛がっていないか
- 呼吸が苦しそうではないか
- 咳き込んでいないか
子どもが話せる年齢なら、強く叱らずに「何を入れた?」「何個入れた?」と確認してみましょう。
同じビーズやおもちゃなどが残っていれば、受診時に持参すると異物の大きさや形を医師が確認する参考になります。
鼻の異物は家庭で無理に取らない
鼻の入り口から異物が見えていても、家庭で無理に取り出そうとするのは避けましょう。
ピンセットや綿棒などを鼻の中へ入れると、異物をさらに奥へ押し込んだり、鼻の粘膜を傷つけて出血したりする可能性があります。
鼻に入った異物は無理に自宅で取ろうとせず、医療機関を受診してください。
鼻を強くかませてもいい?
「鼻をかませれば出てくるのでは?」と思うかもしれませんが、子どもの鼻に異物が入った場合は、自己判断で強く鼻をかませるのは避けましょう。
日本小児科学会では、鼻をかませることで異物を逆に吸い込んでしまう可能性があるため、鼻に異物を入れた場合は鼻をかませず受診するよう案内しています。
鼻に異物を入れたときにやってはいけないこと
ピンセットで無理に取らない
異物が見えていても、奥にある物をピンセットでつまもうとすると、さらに奥へ押し込んでしまうことがあります。
子どもが突然動いて鼻の中を傷つける危険もあるため、無理に取ろうとしないでください。
綿棒を入れない
綿棒で異物を引っかけたり押し出したりしようとするのも避けましょう。
異物が奥へ移動したり、鼻の粘膜を傷つけたりする可能性があります。
何度も指を入れない
指で取ろうとして何度も鼻の中を触ることも避けましょう。
取り出せない場合は無理をせず、医療機関へつなげることが大切です。
強く鼻をかませない
異物を出そうとして強く鼻をかませることも避けます。
自宅でさまざまな方法を何度も試すより、早めに受診しましょう。
何科を受診すればいい?
鼻の中に異物が入って取れない場合は、耳鼻咽喉科が主な受診先になります。
耳鼻咽喉科では鼻の中を確認し、異物の種類や位置に応じて取り除きます。
夜間・休日で耳鼻咽喉科を受診できない場合や、緊急性が分からない場合は、地域の救急医療機関などへ相談してください。
すぐに対応が必要な症状は?
鼻の異物だけでなく、次のような状態がある場合は緊急性が高くなります。
- 呼吸が苦しそう
- 声が出ない
- 強い咳ができない
- 顔色や唇の色が悪い
- 反応がおかしい
- 突然激しく咳き込み始めた
異物が鼻から気道側へ移動した可能性などがあり、窒息が疑われる場合は119番へ連絡してください。
窒息時の対応についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
子どもが喉に物を詰まらせたら?窒息時の対応と救急車を呼ぶ目安
異物を入れたことに気づかない場合もある
小さな子どもでは、鼻に物を入れたことを保護者に言わなかったり、本人も忘れてしまったりすることがあります。
そのため、異物がしばらく鼻の中に残ってから気づくケースもあります。
次のような症状が続く場合は、鼻の中に異物がないか耳鼻咽喉科で確認してもらいましょう。
- 片方の鼻だけ鼻づまりが続く
- 片方の鼻から鼻水が続く
- 嫌な臭いのする鼻水が出る
- 鼻血を繰り返す
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、鼻の異物を放置すると鼻炎を起こし、臭いのある鼻水が出ることがあるとしています。
ボタン電池や磁石を入れた可能性があるときは?
「何を入れたか」がとても重要です。
特にボタン電池や強力な磁石などを鼻に入れた可能性がある場合は、自己判断で様子を見ず、速やかに医療機関へ相談・受診してください。
ボタン電池は体内に入ると組織を傷つける危険があり、磁石も状況によって組織を挟み込んで損傷させることがあります。
「もしかしたら入れたかもしれない」という段階でも、何を入れた可能性があるのかを医療機関へ伝えましょう。
鼻血が出ているときは?
異物によって鼻の粘膜が傷つき、鼻血が出ることがあります。
鼻血が出た場合は、座らせて顔をやや下向きにし、小鼻を圧迫します。
ただし、異物が残っている可能性がある場合は、異物を取ろうとして鼻の中へ指や器具を入れないようにしてください。
鼻血がなかなか止まらない、出血量が多い、顔色が悪いなどの場合は早めに医療機関を受診しましょう。
子どもの鼻血が出たらどうする?正しい止め方と受診の目安を解説
受診するときに伝えたいこと
医療機関では、異物そのものだけでなく、入れたときの状況も重要な情報になります。
- 何を入れた可能性があるか
- いつ入れたか
- 左右どちらの鼻か
- 何個入れた可能性があるか
- 家庭で何か処置をしたか
- 鼻血や鼻水などの症状があるか
- 咳や呼吸の異常がないか
同じ物が残っている場合は、受診時に持っていきましょう。
鼻への異物事故を防ぐためにできること
鼻や耳への異物は、特に小さな子どもで起こりやすい事故です。
- ビーズや小さなおもちゃを手の届く場所に置かない
- おもちゃから小さな部品が外れていないか確認する
- ボタン電池を子どもの手が届かない場所に保管する
- きょうだいのおもちゃにも注意する
- 子どもの年齢に合ったおもちゃを選ぶ
「口に入れないから大丈夫」ではなく、鼻や耳にも入れる可能性があるという視点で環境を確認してみましょう。
まとめ|鼻に物を入れたら無理に取らず受診しよう
子どもが鼻に異物を入れてしまったら、まず何を・いつ・どちらの鼻に入れたのかを確認します。
ピンセットや綿棒などを使って家庭で無理に取り出したり、強く鼻をかませたりせず、医療機関を受診しましょう。
また、子ども自身が異物を入れたことを言わず、片側だけの臭い鼻水や鼻づまり、鼻血などから発見されることもあります。
呼吸が苦しそう、声や強い咳が出ないなど窒息が疑われる場合は、通常の鼻の異物とは緊急度が異なります。119番へ連絡してください。
子どもの救急受診についてはこちらの記事でもまとめています。
参考情報
- 日本小児科学会「耳・鼻に入ったものがとれない」
- 日本小児科学会「耳鼻異物」
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「異物」
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を目的としたものではありません。異物の種類や位置、子どもの状態によって必要な対応は異なります。判断に迷う場合は医療機関へご相談ください。


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