子どもが喉に物を詰まらせたら?窒息時の対応と救急車を呼ぶ目安

救急・受診の目安

「食事中に突然むせ始めた」「食べ物を口に入れたあと、声が出なくなった」

子どもが喉に物を詰まらせる事故は、短時間で命に関わる可能性があります。

大切なのは、咳や声が出ているか、呼吸ができているか、反応があるかをすぐに確認することです。

この記事では、子どもが喉に食べ物や異物を詰まらせたときの窒息のサイン、119番を呼ぶ目安、乳児・幼児それぞれの対応、やってはいけないことを解説します。

子どもが喉に物を詰まらせたら、まず確認すること

食事中などに突然激しく咳き込んだ場合は、次の状態をすぐに確認します。

  • 声を出せるか
  • 強い咳ができるか
  • 呼吸ができているか
  • 呼吸時に異常な音がしていないか
  • 顔や唇の色が青紫色になっていないか
  • 呼びかけに反応するか

「喉を手で押さえる」「声が出ない」「呼吸できない」といった様子は、窒息を疑う重要なサインです。

強い咳ができるなら、まず咳を続けさせる

子どもが自分でしっかりと咳をすることができている場合は、咳を続けさせます。

咳には気道に入った異物を外へ出す働きがあります。

ただし、咳が弱くなってきた、声が出なくなった、呼吸が苦しそうになったなど状態が悪化した場合は、すぐに対応を切り替える必要があります。

声が出ない・強い咳ができないなら119番

次のような状態では、気道が強くふさがれている可能性があります。

  • 声が出ない
  • 十分に強い咳ができない
  • 呼吸ができない、または非常に苦しそう
  • 顔や唇が青紫色になってきた
  • 反応が鈍くなってきた

このような場合は、ただちに119番へ通報し、気道異物除去を行います。

周囲に人がいる場合は、1人が119番通報を行い、もう1人が子どもの対応をするとよいでしょう。

乳児と幼児では異物を取り除く方法が違う

子どもの気道異物除去では、年齢によって対応方法が異なります。

特に重要なのが、1歳未満の乳児には腹部突き上げ法を行わないことです。

1歳未満の乳児の場合

乳児が強い咳をできず、窒息が疑われる場合は、119番へ通報するとともに、背部叩打法などの気道異物除去を行います。

背部叩打法では、乳児の頭を体より低くした状態であごを支え、背中の中央付近を手のひらの付け根でたたきます。

日本赤十字社では、乳児には背部叩打法と胸部突き上げ法を用いる方法を案内しています。

乳児に腹部突き上げ法は行いません。

1歳以上の幼児の場合

幼児が強い咳をできず窒息が疑われる場合は、119番へ通報し、背部叩打法や腹部突き上げ法によって異物の除去を試みます。

背部叩打法では、子どもの頭を低くするように支え、肩甲骨の間を手のひらの付け根でたたきます。

腹部突き上げ法では、子どもの後ろから腹部に腕を回し、へその上・みぞおちより下の位置を内側から上方向へ突き上げます。

腹部突き上げ法は内臓を傷つける可能性があるため、実施した場合は異物が取れたあとも医師の診察を受けてください。

反応がなくなったら心肺蘇生へ

異物が取れず、子どもの反応がなくなった場合は、119番通報を確認し、心肺蘇生を開始します。

救急隊が到着するまで、電話口の指令員から指示を受けながら対応してください。

心肺蘇生中に口の中を確認し、異物が見える場合は取り除きます。

ただし、異物が見えないのに指を口の奥へ入れて探すことは避けてください。

喉に物を詰まらせたときにやってはいけないこと

見えない異物を指で探さない

口の中に異物が見えない状態で、指を奥まで入れて探るのは避けましょう。

異物をさらに奥へ押し込んでしまう可能性があります。

水やお茶を無理に飲ませない

「水で流し込めば取れるかも」と考えて飲み物を与えるのは避けてください。

気道がふさがれている状態で液体を飲ませると、状態を悪化させる可能性があります。

掃除機で吸い出そうとしない

家庭用掃除機を口に当てて異物を吸い出そうとする方法は行わないでください。

口の中や呼吸器を傷つける危険があります。

乳児に腹部突き上げ法をしない

1歳未満の乳児には腹部突き上げ法を行いません。

乳児と幼児では適切な気道異物除去の方法が異なるため、正しい方法をあらかじめ確認しておくことが大切です。

異物が取れたらもう大丈夫?

異物が出て呼吸が戻ったとしても、その後の状態を確認しましょう。

咳が続く、ゼーゼーする、呼吸が苦しそう、元気がないなどの症状が残っている場合は、異物の一部が気道に残っている可能性なども考えられるため、医療機関を受診してください。

また、腹部突き上げ法を行った場合は、異物が取れて元気そうに見えても医師の診察を受けます。

誤飲と窒息は同じではない

「誤飲」と「窒息」は混同されやすいですが、対応が異なります。

誤飲は、本来食べるものではない物などを飲み込んで食道や胃へ入ってしまうことです。

一方、窒息は、食べ物や異物が気道をふさいで呼吸ができなくなる状態です。

呼吸できない、声が出ない、強い咳ができないといった場合は、窒息として緊急対応が必要です。

「飲み込んでしまったけれど呼吸は普段どおり」という場合はこちらの記事も参考にしてください。

子どもが誤飲したらどうする?受診の目安とやってはいけない対処法

子どもの窒息事故を防ぐためにできること

乳幼児は食べ物を噛んだり飲み込んだりする力がまだ十分ではなく、食事中の窒息には注意が必要です。

  • 年齢や発達に合った大きさ・硬さに調理する
  • 食事中は子どもの様子を見守る
  • 歩いたり遊んだりしながら食べさせない
  • 口に食べ物を入れたまま話したり笑ったりさせない
  • 一度にたくさん口へ入れないようにする
  • 小さなおもちゃや部品を子どもの手が届く場所に置かない

子どもは成長とともに行動範囲が急に広がります。床やテーブルの上に、口へ入る大きさの物がないか定期的に確認しましょう。

窒息への対応は「事故が起きる前」に知っておこう

実際に子どもが窒息すると、落ち着いて手順を確認する余裕がないこともあります。

そのため、保護者や子どもを預かる人は、平常時に乳児・幼児の気道異物除去や心肺蘇生について学んでおくことが大切です。

日本赤十字社などでは、救命処置について学べる講習も行われています。

まとめ|声や咳が出ない窒息は119番と応急手当を

子どもが喉に物を詰まらせたときは、まず声が出るか、強い咳ができるか、呼吸ができているかを確認してください。

強い咳ができる場合は咳を続けさせます。

声が出ない、強い咳ができない、呼吸ができない、顔や唇が青紫色になるなど窒息が疑われる場合は、ただちに119番へ通報し、気道異物除去を行います。

また、1歳未満の乳児には腹部突き上げ法を行わないなど、年齢によって対応が異なる点にも注意が必要です。

反応がなくなった場合は心肺蘇生へ移り、救急隊へ引き継ぎます。

子どもの救急受診についてはこちらの記事でもまとめています。

子どもの救急受診の目安まとめ|病院へ行くべき症状一覧

参考情報

  • 日本赤十字社「知っておこう!手当の仕方 子どもに多い『誤飲・誤嚥』編」
  • 日本赤十字社「窒息事故の予防・手当」
  • 日本医師会「救急蘇生法 気道異物除去の手順」

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を目的としたものではありません。実際に子どもの呼吸ができない、声が出ない、反応が悪いなど窒息が疑われる場合は、記事を読み続けず119番へ通報してください。

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